誠に勝手ながら10月31日(水)から11月5日(月)まで
休診とさせていただきます。
また、11月6日(火)は通常通り診療を行っております。
通院中の患者様にはご迷惑をお掛け致しますが、
よろしくお願い致します。
日付: 2018年10月30日 カテゴリ:お知らせ
誠に勝手ながら10月31日(水)から11月5日(月)まで
休診とさせていただきます。
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よろしくお願い致します。
日付: 2018年10月30日 カテゴリ:お知らせ
12月27日(水)午後から1月4日(木)まで
年末年始の為、休診とさせていただきます。
今年も沢山の患者様にご来院いただきまして、ありがとうございました。
風邪やインフルエンザにお気をつけて、よいお年をお迎えください。
日付: 2017年12月25日 カテゴリ:お知らせ, 未分類
誠に勝手ながら10月7日(土)を休診とさせていただきます。
また、11月2日(木)から6日(月)まで休診とさせていただきます。
ご迷惑をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。
日付: 2017年10月2日 カテゴリ:お知らせ
今回のテーマは、
オールセラミック治療になります。
歯周病で問題がある方の口腔内には
多くの被せ物が装着されていることが多いです。
ご自身の口腔内を見て下さい。
なにも治療後がない方は少ないのではないでしょうか?
まったく口腔内に治療跡がない方は、
このブログをみていない可能性が高いです。
基本的に治療箇所が多い方は、
なにかしらのリスクを抱えている可能性があります。
虫歯のリスクが高いとか…
歯周病のリスクが高いとか…
また、その被せ物をみると金属製の被せ物が多いかと思います。
これは日本の保険診療では、
ほとんどの被せ物が金属製とされているからです。
この金属製の被せ物って見た目が悪いですよね。
日本人の場合、
大きく笑うと 「金属がキラット」見えることがあります。
一般的に海外の方でこうした金属が見えることは少ないです。
日本人特有の口腔内と言えます。
これは、先にも説明しましたように
日本の保険診療では、どうしても金属製の被せ物が治療のメインになってしまっているからです。
日本の保険診療は、世界的にみても非常にすぐれた制度であり、
多くの方が世界的にみれば、非常に安価で歯科治療を受けることができます。
例えば国民皆保険がない米国では、
虫歯治療は非常に高額になります。
日本の保険診療と違い、
治療費が決まっているわけではないので
州 や 歯科医院により治療費は大きく違いますが、
虫歯で被せ物をすると 10万円程かかります。
もし、虫歯が大きく神経を取る治療が必要であれば
さらに部位によっても違いますが、
さらに10万円程度加算されます。
日本で同じ治療を保険診療で行なうと
3割負担の方で数千円です。
あまりにも大きな違いです。
これは米国が高いのではなく、
世界的にみて日本の医療費が非常に安いのです。
こうしたこともあり、
日本の歯科医療では、使用できる材料等に大きな制限があります。
世界的に日本の歯科医療(健康保険医療)は、そうとう遅れているのが現状です。
その一つがオールセラミック治療と言えます。
オールセラミックは、世界的にはごく普通の治療となっています。
以下のデータは、米国での歯科治療における
被せ物の種類の内訳です。
メタルセラミックとは、長年使用されてきたセラミックのことで、
見た目(表面的)には、白いセラミックに見えますが、
内部には、金属製が使用されている被せ物です。
通常セラミックと言えば、このタイプです。
メタルボンドクラウン や 陶材焼付鋳造冠 と言います。
金属製のフレームにセラミックを焼き付けて作製されています。
日本でも長い間 このメタルボンドクラウンが主流でした。
(現在も多く使用されていますが…)
なぜこのような方法で作製されていたかと言いますと
セラミックのみでは強度を保つことができないため、
内部に金属製のフレームを作ることで、
セラミック自体の強度を高めるためです。
本日お話するセラミックは、
オールセラミックと言います。
金属をまったく使用しないで作製された被せ物です。
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)と
オールセラミックの違いは以下の写真でみて下さい。
左がオールセラミックで
右側がメタルボンド(陶材焼付鋳造冠)です。
さて
途中の話が長くなりましたが、
以下が米国での被せ物の種類のデータです。
全ての種類が掲載されているわけではありませんが、
主要な被せ物3種類を比較しています。
一つが メタルセラミック:メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)
二つ目が オールセラミック
三つ目が 金属製(全部鋳造冠)
です。
2007年までは
約65%がメタルセラミック(陶材焼付鋳造冠)
約24%がオールセラミック
約8%が金属製
となっていました。
金属製って8%以下なんですね。
日本では奥歯ではほとんどが金属製ですがね。
(健康保険診療以外の治療は除く)
さて米国では、これが2013年になると…
オールセラミックが約80%となっています。
つまり米国ではほとどの場合、
金属を一切使用しないオールセラミックが主流ということになります。
もちろんこれは2013年のデータですから
2016年ではもっと変わっている可能性が高いです。
もちろんオールセラミックの比率が80%以上になっているということです。
そででは本日の本題になります。
歯周病患者様において
今までは金属製の被せ物を装着する方が多かったのですが、
現在は、オールセラミックを使用することが非常に多くなりました。
こうした材料の変化は、見た目だけのことではありません。
歯周病患者さんにとってオールセラミックは非常に多くの利点があるからです。
オールセラミック(特にジルコニア)は、汚れの付着が非常に少ないのです。
汚れが付きにくいということは、
歯周病にとって大きな利点です。
また、金属製の被せ物と違い
傷が付きにくいのです。
まだまだこうしたこと以上のオールセラミックの利点は多いのですが、
少なくとも金属製の被せ物を口腔内に装着する時代ではありません。
日付: 2016年7月26日 カテゴリ:審美歯科(ジルコニアセラミック), 歯周病
本日の内容は、歯周病治療は行なったが、
その後に継続的に管理をしないと問題が起こるという話をしたいと思います。
歯周病の治療が終了したとしても、きちんとした管理ができていないと
必ずと言ってもよい程再発してしまいます。
実際に歯周病で時間をかけて治療したにもかかわらず、
再発をしてしまい抜歯をしなければならない状態になった方も多くいらっしゃいます。
歯周病の治療中 や 治療終了直後は
歯周病菌が非常に少なくなっています。
始めは、歯ブラシも非常に注意をし、時間をかけて行っていますが、
だんだんおろそかになっていく場合もあり、
ふたたび問題となる歯周病菌が繁殖しやすい環境となるため 再発を起こしてしまいます。
メインテナンスとは 定期的に口腔内を管理することにより、
歯周組織の健康を維持していくことです。
アメリカの歯周病学会では
歯周病のメインテナンスを
『歯周病の治療の延長であり、新しいあるいは再発する異常や疾患を早期に発見し、治療しようとすることである』
としています。
そして このメインテナンスの有効性や期間を科学的に実証する論文も多数あります。
本日は、 なぜメインテナンスが必要なのかということと、
どれくらいの頻度で受ければ良いのかということを論文をもとに説明いたします。
論文1
歯周外科処置後にメインテナンスを行わなかった場合どうなるか?
歯周外科処置後にメインテナンス治療が行われなかったり、
歯ブラシが不十分であれば、
結果的に歯周病は再発することが多くの研究により実証されています。
AxellsonとLindhe(1981)は、
6年間にわたり歯周外科治療を受けた患者さんが
適切なメインテナンスが行われないとどうなるかを調べた。
2~3ケ月の間隔でメインテナンスを受け、
その時に診査と指導、
および歯石除去等のクリーニングをした患者さん(メインテナンス群)と、
メインテナンスを受けなかった患者さん(指導やクリーニングはしないで検査のみに来院してもらった)ではあきらかにメインテナンスを受けなかった患者さんは再発していたことを報告しています。
それでは、メインテナンスはどれくらいの間隔で受けた方が良いのでしょうか?
定期管理の間隔は、人によって大きく異なります。
もともど重度歯周病の方であれば、
短い間隔で定期管理を受けられた方が良いでしょう。
また、患者様ご自身の口腔清掃管理の状態によっても
定期管理の間隔は変わってきます。
非常に良く口腔清掃管理がなされていれば、
ある程度 定期管理の間隔が長くても 問題が起こらない可能性もありますが、
口腔清掃管理が不十分な方であれば、
できるかぎり短い間隔で受けられた方が良いです。
当然のことながら口腔清掃管理が不十分な方では、
歯周病が再発する確立が高くなるからです。
以下の研究では、
歯周病治療が完了した患者様が
定期管理(メインテナンス)を受けなかった場合に
どうなるのか?
再発するのか?
という研究です。
論文2
WestfelとNyman(1983)により
歯周外科処置後に専門家による歯面清掃を繰り返し行うことの重要性が報告されました。
24名の患者さんは、歯周病治療後に
2週、4週、12週の間隔をもってメインテナンスグループに分けられた。
その結果メインテナンス間隔が短いほど再発が少なかった。
歯周外科処置後にメインテナンス治療が行われなかったり、
歯ブラシが不十分であれば、
結果的に歯周病は再発することが 上記の研究以外でも
多くの研究により実証されています。
次の論文の紹介です。
メインテナンスの効果をみた研究です。
論文3
進行した重度歯周病であっても、
歯周治療を受け、適切な口腔内管理とメインテナンスを行った場合は
かなりの確率で歯を維持することが可能であるという報告が多数あります。
0liver(1969)は
5年から17年間(平均10.1年)のメインテナンスケアーを行っている
歯周疾患患者さん 442人について報告しました。
この研究によれば歯の喪失率は1.6%という非常に低いものであった。
Ross(1971)らは
2~20年メインテナンスを受けた患者さん 180人について
歯の喪失率は患者1人当たり0.78歯であった、と報告しています。
同様に、口腔内管理をし、メインテンスをきちんと受ければ
歯周疾患にかかった人でもメインテナンス期間中に失う歯の平均は
Hirschfeld (1978)は 1.8歯、
Becker(1984)は0.72歯、
Nabers(1988)らは0.29歯であったと報告しています。
もともとの歯周疾患の程度 や
どこまで治療するかによってもその予後は異なりますが、
口腔内の管理がきちんとできて、
適切なメインテナンスを行えば、
その予後はメインテナンスを受けない方よりはるかに良いことはまちがいないことです。
治療が終わった患者さんが良くする言葉があります。
「また痛くなったり、問題があったら来ます。」
もし本当に問題があってから来れば、
当然歯を抜歯したりすることになるのです。
特に歯周病は自覚症状がある状態はかなり進行していることがほとんどです。
歯を抜きに歯科に来院するのか?
歯を保存するために来院するのか?
ということです。
やはりメインテナンスは重要です。
治療が終わって、継続して通院することは億劫ですが、メインテナンスも頑張りましょう。
日付: 2016年5月14日 カテゴリ:歯周病
神経のない歯は非常にリスクが高いです。
後で詳細を記載しますが、
神経のない歯は、非常に脆いので折れることが高頻度で起こります。
折れた場合には、保存が難しくなることが多いです。
もちろん折れた部位や
折れてからの期間にもよりますが、
保存が可能な場合もありますが、
抜歯となることが多いのが この歯根破折です。
抜歯というのは患者様にとっても
最も嫌なことです。
できるかぎり抜歯は避けたいものです。
しかし、神経のない歯であるかぎり折れる(歯根破折)を100%避けることは難しいことであり、
歯根破折の可能性はあるのです。
2005年の 永久歯の抜歯原因 報告書によると
抜歯された歯の約11%は、歯根破折となっています。
私の経験上、
もっと多いのではないかと思います。
以下はこのブログでもよく解説する話なのですが、
神経がない歯の経過データです。
神経がない歯の生存率についての研究論文は多くありますが、
約5~30年と言われています。
えー
と思われるかもしれません。
もちろん神経のない歯であっても
数十年と長く維持されている歯も多くあります。
その反面
神経を取った後に 1年も経過しないうちにダメ(抜歯)となるケースもあるのです。
神経のない歯の生存率が約5~30年ということは、
20歳で神経を取った人は、
25歳~50歳程度で歯がダメ(抜歯)になる確立が高いということです。
それだけ神経のない歯の将来性は低いのです。
また、神経がない歯に
被せ物(セラミック、金属冠) や 差し歯、ブリッジを行った場合、
その被せ物は約7~8年でトラブルが起こると言われています。
もちろんこれは平均的なデータであり、
必ず神経のない歯の被せ物が7~8年でダメになるわけではありません。
被せ物の精度にもよりますし、
ブロッジ 等の 被せ物装着後の清掃管理や
虫歯のリスク等によっても大きく変わってきます。
歯が長く維持されることは、
けして神経がある ない ということだけではありません。
ただし、
神経がない歯は、
神経がある歯と比較すると
圧倒的にトラブルが多いのが事実です。
以下は、神経がない歯の代表的なトラブルです。
1.歯根破折を起こす!
これは先に説明したことです。
歯根破折(歯の根が折れる、亀裂が入る)です。
神経のない歯はもろく 通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
こうした状態を患者さんに説明する際に
” 木 ” に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、
枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は血液供給がなくなるため もろくなってしまうのです。
先にも説明しましたように
歯(根)が折れた場合には、抜歯となる確立が高いです。
2.虫歯になりやすい!
次に 神経がない歯は、虫歯になりやすく、虫歯の進行速度も早いのです。
神経を取った歯は、ほとんどの場合 金属製 や セラミック等の被せ物(差し歯)を行います。
こうした被せ物には、ほんのわずかですが つなぎ目(隙間:すきま)が存在しています。
段差といってもいいでしょう。
この つなぎ目 に汚れが溜まりやすく、
歯磨きが適切にできないと 被せ物の隙間から虫歯細菌が侵入し、
虫歯となってしまいます。
また、神経のない歯は、虫歯になってもしみる等の痛みが起らないため、
気が付かないうちに進行しやすいのです。
3.根の先に膿みが溜まる!
次に 神経がない歯は、根の先に膿みが溜まることがあります。
この膿みが大きくなると 腫れたり、痛みが起こったりします。
本来、歯の中にある神経は、無菌的な状態ですが、
神経を取る際に歯に穴を開けた瞬間に 外部(大気中)の細菌が神経の穴に入ってしまいます。
外部からの感染を100%防ぐことは不可能なことです。
また、歯の根(神経が通ってる根)は、
非常に複雑な形態をしており、
メインの神経以外にも 細い神経(血管)が無数に存在します。
例えると 木の根っこにも 無数の細い根が存在するのと同じです。
また、歯の根(神経が通ってる根)は、
非常に複雑な形態をしており、メインの神経以外にも 細い神経(血管)が無数に存在します。
例えると 木の根っこにも 無数の細い根が存在するのと同じです。
そのため、全ての神経を取り除くこと自体 難しいのです。
残った細い血管が腐ったりすると 膿みとなることもあります。
根の先に膿みが溜まった場合には、
膿みを取り除く治療(感染根管治療)を行いますが、再発率が高いのです。
根の先に膿みが溜まっているような状態(感染根管)では、
根自体が感染しているため消毒だけでは細菌を100%取り除くことは不可能です。
特にレントゲン上で膿みの陰が大きかったり、
何度も腫れを繰り返しているような状態の場合には、
再発するリスクが高いことが 多くの論文からも明らかになっています。(
再感染根管治療)
以下は、さまざまな論文から得られた神経の治療の成績です。
1. 感染根管治療で80%程度の成功率
(50~90%程度の成功率の論文報告が多い)
2.再感染根管治療で60%程度の成功率
(50~80%程度の成功率の論文報告が多い)
これらの論文から 根の先に膿みが溜まっているような状態で治療を行った場合(再感染根管治療)には、10人に治療を行えば 4人は膿み(腫れ)が再発するということです。
神経のない歯は、どうしたら良いのか?
それでは、神経のない歯は どうしたら良いのでしょうか?
どうしたらトラブルなく 長く保つのでしょうか?
上記でご説明した
『歯根破折』
『根の先に膿みが溜まる』
といったことは、患者様ご自身で防ぐことは難しいのですが、
『虫歯になりやすい』ということは、予防をしっかり行うことでリスクは軽減できます。
つまり、起床直後と就寝前の徹底した歯磨きが 今後を左右するのです。
また、神経のない歯が虫歯になっていると判断された場合には、早急に対応することが重要です。
神経がない歯は、冷たい等の症状がでないので、
知らないうちに 虫歯が進行して 手遅れになることがあります。
また、神経のない歯に負担をかけないことも歯根破折防止の点からは大切なことです。
これは、神経のない歯をできるかぎりブリッジにしないことや
歯がない状態のままで放置しないことも重要なことです。
歯が欠損したままでいると 残っている歯に負担が加わるのです。
残っている歯に神経がなければ、歯根破折が起こる確立も高くなるのです。
神経がない歯を生涯に渡って維持することは、さまざまなリスクがあり 困難なことです。
そのため、リスクを最小限にするための治療方法 や 毎日の管理 が重要になってくるのです。
バイオフィルムとは、
『細菌などが集まってできたヌルヌル、ネバネバした塊』のことです。
そう言ってもピンとこないと思いますので、
具体的に私達が日常生活する上で経験する
『バイオフィルム』の話しをします。
台所 や 風呂場の清掃を少ししないでいると
そこは、
” ヌルヌル ” としてきます。
その ” ヌルヌル ” を除去しようと思っても、
塩素系の薬剤等を使用しない限り、
ブラシのみではなかなか取除くことは困難であると思います。
この除去しづらい
” ヌルヌル “が
『バイオフィルム』です。
『バイオフィルム』の中には、
多数の細菌が生存しています。
『バイオフィルム』は、
内部の細菌を守るバリアーと思って下さい。
こうしたバイオフィルムは、口腔内にも生じます。
先にも説明しましたように
『バイオフィルム』の内部には複数の『細菌』が生息しています。
バイオフィルムは、バリアーとして働いているため、
かなりの高濃度の薬剤でもない限り、内部の細菌を殺すことは困難です。
細菌をそのままにしておくことは、
歯周病、虫歯を引き起す原因となります。
このバイオフィルムを的確に取り除くことが重要なのです。
そこで本日のブログでは、
バイオフィルムの除去方法について解説します。
バイオフィルムの除去には
マウスウォッシュを使用するだけでは、取り除くことは不可能です。
汚れを機械的に除去することが必要です。
それが、歯ブラシによる 汚れの除去なのです。
しかし、現実的に
口腔内の汚れを完全に除去することは難しいものです。
例えば、コップに付着した汚れを取り除くには、
洗剤を付けたスポンジ 等で擦ります。
洗剤の効果もそうですが、
スポンジでコップを擦ることで、
機械的に汚れを取るのです。
そのあと、コップを洗浄すれば、
きれいになります。
ごく普通のコップの洗い方です。
口腔内も同じです。
歯ブラシで歯の隅々まで擦り、
汚れを除去することができれば、
細菌が生存するバイオフィルムを取り除くことができます。
しかし、歯はコップとは違い
単純な平面ではありません。
小さな凹凸がいっぱいあります。
また狭い空間なので、
奥歯になればなるほど歯ブラシは届きにくくなります。
歯と歯の間なんて、本当に大変です。
さらにご自身では、
どこに汚れが付着しているのかを事前に把握すること自体が困難です。
通常の鏡でみても歯の裏側なんて 見えません。
奥歯では、歯の間もよく見えません。
また、差し歯 等の被せ物 や ブリッジ等をされている方は、
被せ物の境目に汚れが付着していることが多く、
こうした部位に付着した汚れを徹底した清掃することは、
現実問題として、非常に難しいのです。
そのため、ご自身では良く磨けたと思っても
見えない部位 や 奥歯 等に
汚れが残っていることが多いのです。
結果的にバイオフィルムは残ってしまい、
バイオフィルム中の細菌により問題が引き起されるのです。
それでは、歯磨きで十分に取りのけなかったバイオフィルムはどうでしたら
良いのでしょうか?
歯科医院では、さまざまな器具を使用し、
口腔内に存在するバイオフィルムを除去します。
この方法をPMTCと言います。
PMTCとは、
『 Professional Mechanical Tooth Cleaning』の略で、
歯科医師 や 歯科衛生士のように特別に訓練を受けた専門家が
器具 や ペースト(フッ素入り歯面清掃剤)を用いて
歯面 および歯周ポケット内部に存在している『バイオフィルム』
を機械的に除去することを言います。
それでは、具体的な『バイオフィルム』の除去の方法です。
まず、『スケーリング』です。
『スケーリング』とは歯石を除去することです。
方法は『キュレット』(下写真)で取り除く方法と
『超音波スケーラー』(下写真)という器具で
マイクロ振動 と 水圧 により
歯面や歯根面に付着している歯石とともに
『バイオフィルム』の除去を行う方法があります。
『キュレット』と言われる器具を用いて、
歯肉内部の 歯石 および 感染物質 を取り除く治療を『ルートプレーニング(SRP)』と言います。
ルートプレーニングに使用する『キュレット』の先は 刃のようになっており、
根面に強固に付着している感染物質(歯石)を除去するのに適しています。
次に『ポリッシング』です。
これは非常に重要な行程です。
『歯石』や『バイオフィルム』を除去した表面は ” ザラザラ ” しています。
” ザラザラ ” している状態は再度汚れが付着しやすいので
表面を 器械 や 歯ブラシ等で ” ツルツル ” に磨き、
『歯石』や『バイオフィルム』が付着しにくいようにします。
また、ポリッシング時 や 虫歯予防のために フッ素人りペーストを歯面に塗り込みます。
このようなことを行うことにより『バイオフィルム』を取り除き、歯周病の再発を防ぎます。
例えて言えば、
ポリッシングは、車の洗車後のワックスがけで
良く磨く行程と同様なことです。
本日のブログはこれで終了です。
今日は口臭の原因にもなるドライマウスについてお話したいと思います。
ドライマウスとは、種々の原因によって唾液の分泌量が低下し口腔内が乾く、歯科疾患の一つです。
現在日本における罹患者は800万人程度と推定されています。
ドライマウスにはどのような症状があるかと言うと、
1、口臭が気になる
2、お口の中がネバつく
3、乾いた食品が食べづらい
4、入れ歯が擦れる
5、舌がヒリヒリする
等があります。
これらは実際にとても不快な症状なんです。
ではどのようにドライマウスを改善したら良いのでしょうか。
1、水分補給と食生活の見直し
水分補給をしっかりとりましょう。
喉の渇きを感じる前に小まめに水分を摂るようにしましょう。
食生活においては香辛料などの刺激物やアルコール飲料の飲み過ぎに注意しましょう。
2、歯磨剤の見直し
日常生活で身近な歯磨剤を例にあげると、市販の多くの歯磨剤に含まれている発泡剤(ラリウル硫酸ナトリウム)は口腔粘膜を保護する唾液成分「ムチン」を破壊し、ドライマウスを助長すると言われています。
ドライマウスの患者さんは特に発泡剤に注意する必要があります。
3、口腔ケア製品を使う
口腔ケア製品を使う事によって粘膜の保湿・保護になります。
当院ではconcoolと言う洗口液をお勧めしております。
concoolは口臭の気になる方にも効果があります。
このように日々ケアをしていく事がドライマウス改善に必要になってきます。
当院にて相談も承っておりますのでどうぞお気軽にご相談ください。
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